【ジャニス渚】なぜ香ばしい香りや甘い香りは食欲をそそるのか?
これには、脳と嗅覚の仕組み、進化の歴史、そして私たちの記憶や経験が深く関係しています。
1.生存本能と進化の知恵
香ばしい香りや甘い香りは、人類の進化の過程で「完全で栄養価が高い食べ物」として認識される
サインでした。
・🔥香ばしい香り(例:焼けた肉・パン・炒め物)
→食材が火で加熱され、雑菌が死滅して安全になったことを示す
→脂や糖が熱で分解されてできる「メイラード反応」が、香りと旨味を生む
・🍯甘い香り(例:果物・お菓子・炊きたてご飯)
→エネルギー源(糖質)を多く含む可能性が高く、体にとって貴重
→果物などの自然な甘さ=熟していて食べ頃という合図
だから、私たちは無意識に”おいしい” ”安全” ”食べたい”と感じるようにできているのです。
2.嗅覚は脳の「本能」と直結している
嗅覚は、五感の中でももっとも本能的な感覚。
匂いは、視覚や聴覚と違って、脳の大脳辺縁系(記憶・感情・本能をつかさどる部分)に
直接届くので、こんなことが起きます。
・香りを嗅いだ瞬間に「食べたい!」と感じる
・過去の食体験や記憶と結びついて、感情が動く
・お腹が空いていなくても、食欲が刺激される
つまり、香りは感情と記憶と本能を一気に揺さぶる”強力なスイッチ”なんです。
3.食欲との関係を科学的に見ると...
・食べ物の香りは、胃液や唾液の分泌を促進します(いわゆる「よだれが出る」)
・脳の視床下部が刺激されて、食欲中枢が活性化
・香ばしい匂い(=油脂・タンパク質)、甘い匂い(=糖)=体が必要としている栄養素に反応
→このように、体が”栄養を取れ”と命令してくる状態が「食欲がそそられる」状態なのです。
☆香ばしい香り・甘い香りが食欲をそそる理由は…
進化的に「おいしくて安全な食べ物のサイン」として認識されてきたから。
さらに、嗅覚は本能や記憶と直結していて、脳がダイレクトに反応するから。
だから、通りすがりの焼き肉の匂い、炊きたてご飯の湯気、焼きたてパンの香り…
それだけで私たちは、「お腹が空く」「幸せを感じる」ようにできているのです。

