【ジャニス渚】石川の食文化「加賀の味」と「能登の味」の違いとは?
◇加賀の味の特徴 ~洗練された美の食文化~
加賀地方は、江戸時代に加賀百万石の城下町として栄えた歴史を持ち、武家文化や茶の湯の影響を
受けた洗練された料理が、今に伝わっています。
〈味付けは上品で繊細〉
・昆布や鰹節を使った澄んだ出汁
・醤油やみりんをバランスよく使った甘辛い味
〈華やかな盛り付け〉
・食器や盛り付けにもこだわり、見た目でも楽しませる
〈代表的な料理〉
・治部煮(じぶに):鶏肉や野菜を出汁と醤油で煮込み、とろみをつけた郷土料理
・加賀野菜を使った煮物や和え物
・加賀棒茶と一緒に楽しむ懐石料理
加賀の味は、素材の美味しさを最大限に引き出すための控えめな味付けと、美意識の高い盛り付けが
魅力です。
◇能登の味の特徴 ~自然と共に生きる素朴な恵み~
能登地方は、海に囲まれた半島地帯で、海産物と発酵文化が根付いた力強くも素朴な味わいが
特徴です。
〈塩と発酵の力強い味付け〉
・「能登の塩」を使ったしっかりした塩味
・味噌、醤油、魚醤などの発酵調味料を活用
〈自然な旨味を活かす調理〉
・焼き魚や煮魚など、素材の鮮度をそのまま活かす
〈代表的な料理〉
・能登丼:地元の魚介類をふんだんに使った海鮮丼
・いしる鍋:魚醤「いしる」を使った濃厚な鍋料理
・干物、漬物など保存食文化も盛ん
能登の味は、海と山の恵みを余すことなく使った、自然本来の味わいが活きた料理です。
冬場に備えた保存食文化も色濃く残っており、発酵食品が日常的に使われています。
対照的な魅力を持つ「加賀」と「能登」
同じ石川県でも「加賀」と「能登」では、これほどまでに食文化が異なります。
☆加賀は、”美しさ”と”繊細な味”を大切にする京文化の影響を受けた料理
☆能登は、”素朴さ”と”自然の恵み”をそのまま活かす暮らしに根ざした料理
どちらも地域の風土と歴史が生み出した大切な食文化。
石川を訪れた際には、ぜひ両方の「味の違い」を楽しんでみてくださいね!

