【ジャニス渚】金沢に来たら”のどぐろ”を食べるらしい ~観光客人気と地元民の本音~
金沢観光の定番と言えば、高級魚ののどぐろ(アカムツ)。
最近は、ガイドブックやSNSでも頻繁に取り上げられ、観光客が「金沢来たから、とりあえずのどぐろ食べたい!」
と言うのは、もはや当たり前の光景です。
まるで”金沢に来たら必ず食べるもの”のような勢いがあります。
◇観光客が惹かれる理由:確かに美味しいし特別感がある
のどぐろは、白身とは思えないほど脂がのり、塩焼きにすると皮目から、じゅわっと旨みがあふれます。
刺身や炙りでも濃厚な甘みが感じられ、”白身のトロ”と呼ばれるのも納得です。
加えて、漁獲量が多くないため希少性があり、旅先で「せっかくだし」と注文したくなる魚でもあります。
金沢には、割烹や寿司店など和食文化が根付き、料理人の技と組み合わせることで、のどぐろ本来の魅力を
存分に味わえるのも、観光客に人気の理由です。
◇でも実は…地元民の家庭では、ほとんど食卓に登場しない
一方で、地元民の感覚としては、家庭料理としてのどぐろを食べることは、ほぼありません。
理由はシンプルで、
・値段が高めで、普段使いには向かない
・スーパーで、頻繁に並ぶ魚ではない
・家で焼くには、少し贅沢すぎる
といった事情があるからです。
金沢の家庭でよく登場するのは、ブリ、アジ、サバ、カレイなど手頃で身近な魚ばかり。
だから、観光客が次々とのどぐろを注文しているのを見ると、地元民としては、
「本当にみんな食べるんやね~」と微笑ましく感じることも、しばしば。
◇のどぐろは”外で食べる贅沢”としての価値がある
とは言え、のどぐろはお店で食べてこそ本領が発揮される魚。
火の入れ方や脂の扱いは、家庭ではなかなか再現できず、地元の人にとっても
”ちょっと贅沢したい日”に選ぶ特別な一皿です。
観光客人気が高いおかげで取り扱う店も増え、金沢の味として、さらに定着したのも嬉しいところ。
今日もどこかで「のどぐろください!」
という声が聞こえる───
それもまた金沢らしい風景になっています。

