
海月ラビィ「助け合いの心が育む信頼 ― 甘え上手という大人の優しさ」
人と人とのつながりを考えるとき、
欠かせないのが「助け合い」の心です。
誰かを思いやり、必要なときには支え合う。
その循環の中で自然と信頼が生まれ、
絆が深まっていくのだと思います。
若い頃の私は、
どちらかといえば人に
頼ることが苦手でした。
自分のことは自分で
解決しなければならないと考え、
「人に迷惑をかけてはいけない」という思いが強かったのです。
どんなに大変でも一人で抱え込み、
我慢してしまうことも多かった気がします。
けれども、年齢を重ねていく中で
少しずつ考え方が変わりました。
誰かに「助けて」と言えるのは
決して弱さではなく、
むしろ勇気や信頼の証なのだと
気づいたのです。
心を開き、素直に甘えることで、
相手との関係がより柔らかく、
深いものになっていく――そのことを
実感できるようになりました。
相互扶助とは、一方的に与えるだけでも、
受け取るだけでもなく、
お互いに支え合うこと。
助けられることを素直に受け入れる姿勢は、
実はとても女性らしい優しさの
表れなのかもしれません。
頼られることも嬉しいけれど、
頼ることで相手に「信じています」
という気持ちを伝えることができる。
そんな温かいやり取りが、
日常をより豊かに彩ってくれるのだと思います。
今の私は、「お願いね」と
言えるようになった自分を
少し誇らしく感じています。
そして、その言葉を
受け止めてくれる人がいることの
ありがたさを、しみじみとかみしめています。
助け合いの心が信頼を育て、
信頼がまた新しい優しさを生む。
これからもその循環を大切にして、
しなやかに歳を重ねていきたいと思います