【まる】言葉の豊かさは思考の豊かさ
言葉をたくさん知っていることは、ただ語彙力が高いという以上の意味を持っています。
私たちは思うときも、悩むときも、心の中で言葉を使って考えています。
だからこそ、使える言葉の種類が増えるほど、自分の感情をより繊細に捉えることができるようになります。
たとえば「悲しい」という感情のなかにも、たくさんの種類があります。
寂しい
虚しい
手放したくない
報われない
満たされない
置いていかれたような気持ち
どれも「悲しい」に含まれるけれど、感じているニュアンスは少しずつ違います。
その違いを言葉で捉えられたとき、感情の輪郭がやさしく浮かび上がってくるんです。
言葉を知らないと、心は曖昧な感情のかたまりに押しつぶされてしまいがち。
でも、言葉を知っていると
「ああ、今の私は『虚しさ』を感じているだけなんだ」
「傷つきたくなくて『怖さ』が動いているんだ」
そんなふうに、自分の感情の輪郭をそっと確かめることができます。
すると、不思議なほど心が落ち着きます。
感情の正体がわかったとき、人は不安や恐怖から解放されるからです。
そして、どう扱えばいいかも自然と見えてきます。
虚しさなら、やさしさの補給が必要。
怖さなら、安全を感じられる時間や人が必要。
寂しさなら、つながりが必要。
繊細に捉えることができた感情は、優しくケアすることができます。
難しい言葉を覚える必要はありません。
自分の心を説明できる言葉をひとつ、またひとつ増やしていくこと。
その作業を繰り返していくことで、あなた自身がしなやかに力強く生きていける力を養うことに繋がっていきます。
一人では難しい。
そんなふうに感じるときは、ぜひお手伝いさせてくださいね。
