
《比呂 酒井》六壬(りくじん)を操る占い師は陰陽道に精通している
みなさんは「占い」が好きですか?
じつは、私たちプロの中でも、
特殊な専門家たちは「占い」のことを「占術」と呼んでいたりします。
占いという術をつかって導き出した『形』から、
未来を予言したり、
運勢を判断したりするからです。
ちなみに「おまじない」は「呪術」です。
神仏の力を借りて、
病気が治るように祈ったり、
他人に災いが起こるように呪いをかけたりすることをいいます。
そして、これが大事な基本ですが、
占術も呪術も『陰陽五行説』が基本になっているのです。
かつて聖徳太子も、陰陽説にもとづいて
冠位十二階や十七条の憲法を定めたといわれています。
私は20年ほど前、師匠である中島多加仁先生から
『六壬神課(りくじん-しんか)』という占術を学びました。
これは平安時代の陰陽師が得意とした占星術です。
六壬(りくじん)は『式神(しきがみ)』をつかって占います。
この式神の「式」には「もちいる」という意味があるのです。
簡単に言うと「神を操る」ことなのです。
紙などを折ったり切ったりして、
人や鳥などの形を作り、
それに術者が「命」を吹きこんで思い通りに操ります。
これを「式神」と呼んでいました。
しかし、式神という名前の神様がいるわけではないのです。
式神は、また「鬼神(きしん)」ともいいます。
特に有名な鬼神は、「十二神将」です。
十二神将は、陰陽道(おんみょう-どう)の占術で用いる
1年12か月から割り出された神で、
貴人 (きじん)
騰蛇(とうだ)
青龍(せいりゅう)
勾陳(こうちん)
六合(りくごう)
朱雀(すざく)
大陰(たいいん)
玄武(げんぶ)
大常(たいじょう)
白虎(びゃっこ)
天空(てんくう)
天后(てんこう)
で構成されています。
それぞれに意味があり、また働きが違います。
六壬を操る占い師は、
同時に陰陽道を勉強しているのです。
占い師と占術家、
その違いは六壬神課のような、
いわゆる『術』を使えるかどうかが鍵とも言えます。
もちろん四柱推命や紫微斗数も『術』の一種ではあります。
hiro